介護業界の色々なビジネスモデル。利益が出やすいモデルはどれ。

介護業界の色々なビジネスモデル。利益が出やすいモデルはどれ。

介護業界の色々なビジネスモデル。収益が出やすいモデルはどれ。

介護業といっても、デイサービスや訪問介護、特養や有料老人ホームなど本当にたくさんの形態がありますよね。どれが一番利益を出しやすいのでしょうか。

収支差率とは

収益を図るのに収支差率という数字があります。1000円使って50円収益があれば収支差率5%、1000円使って100円収益があれば収支差率10%という事です。

早速収支差率の高いモデル、低いモデルを比べてみます。収支差率だけで良し悪しが判断できる訳ではないのですが、収支差率は重要な指標の1つです。たくさんあるモデルを形態別にまとめて収支差率を比べてみたいと思います。

まずは下の表を見て下さい。平成29年の収支差率を比べた表です。大まかに言うと、

下の表の数字が高い方が収益を得やすい

ということです。

厚生労働省「平成 29 年介護事業経営実態調査結果の概要」

どうでしょうか。サービスによってかなりばらつきがありますよね!

 

 

業態別に分けるとどの業態の収益率が高いのか

通所

通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション

通所系は利用者が一箇所にたくさん集まった上でサービスを提供するモデルなので、サービス提供者にとっては効率的収支差率が高くなっています。(政府から収益率が高すぎると判断され、介護報酬の削減対象にもなっています)

訪問

訪問介護、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ等

自宅等を訪問してサービスを提供します。パート職員の割合が多くて、こちらも収支差率が高くなっています事業を大規模化させたり福祉用具貸与などの他のモデルと合わせて提供する事で、高い収支差率をキープしているケースが多くなってきています。(こちらも政府から収益率が高すぎると判断され、介護報酬の削減対象になっています)

施設

介護老人福祉施設、介護老人保健 施設、介護療養型医療施設

俗に言う特養や老健ですよね。入所型施設系は営利目的の一般企業が入ってきてはいけないことになっています。社会福祉法人などが運営している場合が多くて、利用者は比較的少ない予算で入所できるような公益性が求められているので、収益差率は低くなっています。

特定施設

介護付有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、 サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホームなどに入居している方に対して行うサービスです。入浴・排せつ・食事等の介護保険サービスだけではなく、ホームの入居費や月額利用料なども合わせて収益化できるので、それを合わせると収支比率や良かったのですが、26年度に12.2%というズバ抜けて高い収支比率となったため、介護報酬の削減対象となり29年度では2.5%まで落ち込んでいます。

総合

上記業態の複合

大規模な営利法人などが多く、訪問介護、短期ステイ、上記の特定施設系サービスなど様々なサービスを提供しています。もともと収益差率の高いサービスを集めていますが、大規模化させてさらに収益アップを図っています。

 

以上、ざっと大まかに見てきましたが、3年に一度の介護報酬改定では収支差率の高いサービスの報酬をカットして、1つのサービスだけ高くなりすぎないようにします。そして一般の企業の平均的な利益率と等しくなるように調整されます。改定のたびに各サービスの収支差率は大きく変わってきますので、古い情報などはあまりあてになりません。変わりゆく制度についていくのも大変ですよね・・・。

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