介護職員はどれくらい足りなくなるのか?
福祉サービス、特に介護職員の人材不足は深刻さを増しています。報道でも大きく取り上げられる事もありますが、どの程度大変なのかご存知でしょうか。それを図る指標に充足率があります。
充足率100%なら足りている状態です。
充足率70%なら、残りの30%が足りない。
という事です。
下のグラフをご覧ください。文字が小さいので拡大等してご覧ください。厚生労働省による介護人材の受給推計です。
グラフの一番下の合計の行、2025年の介護職員の全国平均の充足率予測は85%です。単純計算で、介護職員が100人いる事業所では15人、1000人いる事業所では150人も足りないという事です。
厚生労働省 2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について
上の表の中で、充足率が一番低い宮城県単体で見ると、なんと充足率69%。1000人必要な会社では310人!も足りないことになります。
ちなみに、現在2017年の充足率の全国平均では94%です。介護人材不足が深刻化している現在でも94%という事は、将来全国平均が85%になった時はどうなるのか。
こういったデータを見ることで、将来どれくらい大変な状況になるのかわかります。
自分達に必要な人材を明確化する事も重要
しかし、働いてくれるなら誰でもいいという姿勢では問題が起こってしまいます。即戦力となる経験を持っている人材が必要なのか、新卒採用などで人材を長期的に育てていきたいのか、必要な人材像を明確にしてターゲットを絞ることも重要です。
直接体に触れる職種ですし、時には命に関わるようなケースにあたることもあります。なので、倫理観や適性の面でも人材像を明確にする必要があります。
職員・採用担当に対して、施設における経営戦略・人事方針を明確に示すということです。
しかし、人材が不足しているために事業が開始できない場合や、事業の運営が不可能になってしまうケースではあまり悠長な事を言っている時間はないですよね。
このように非常に難しい福祉サービスの人材確保ですが、ヒントになる資料が国から用意されています。
上のリンクに飛ぶといくつかのPDFファイルがあります。少し古いデータが使われていますが、労働環境はどうしたらいいのか、キャリアアップの仕組みはどんな風にすれば良いのか等、人材確保に役立ちそうな情報が掲載されています。詳しい解説は次の機会に譲ります。是非、目を通してみてくださいね!