福祉サービスの質を良くしたい。
でも、福祉サービスの質を良くすると言われても、いまいちピンと来ない。
レストランであれば「最高の料理」
車であれば「最高の乗り心地」
などなど、何かしらの分かりやすい基準があると思うんです。
福祉になると、
「最高の相談」?
「最高の掃除」?
「最高の料理」??
「最高の居住空間」???
うん、しっくり来ない。どれも正解でどれか1つではなく、全部正解で結局何が正解なのかわからない。
QOLの向上なんて良く言われるけれども、「QOLって何かね?」って疑問の答えは永遠のテーマになる程に捉えどころがなかったりもする。
なぜなんだろう。
福祉サービスに限らず、サービスには形がないから
製品を組み立てるわけでもなく、料理を提供する事がメインでもない。
何か物を提供するのであれば、それが形になって見えるので分かりやすいけど、福祉サービスには形がないものが多すぎるわけで・・。
目に見えないものの品質を向上させることは難しいし、ちょっとした気の緩みですぐに質が落ちてしまう。
アップル製品の質が良いって言う人は多いけど、アップル製品は一度作ってしまえば気を抜いても質は落ちない。当たり前だけど・・。
福祉などのサービス業務は、挨拶の笑顔がないだけで一気にサービスとしての品質は落ちてしまう。今までが最高だったとしても、一瞬で品質はガタ落ち。
どんな成果が得られたのか、分かりづらいから
顧客=ご利用者様は何を求めて福祉サービスを利用しているのか?
これが明確に分かれば苦労は激減するけど、わからない場合がとても多い。
「何がしたいかわからないけど、入れられたから。」と言った声は驚くほど多く、挙げ句の果てには「こんな所に来たくもない!早く帰らせてほしい」と言った声も当たり前のように聞かれる。
本人は何も求めていない。
まさに「本末転倒」
そのようなご利用者様に対して、ホテルや飲食サービスなどと比べること自体がもはや無謀なわけで、同じフィールドで考えてはいけない気がする。
もちろん、サービスを求めて利用される方もたくさんいらっしゃるので一概には言えないのだが・・
それはもはや「サービスの提供」というよりは、「説得」に近くて納得して我慢してくれている前提のサービスという高いハードルをクリアしなければならないわけで。
一般的なサービスのような
「美味しそうだから食べに来た」
「良いホテルと聞いて泊まりに来た」
そんなモチベーションを持って利用されるサービスとは違うと言う事を忘れてはいけない。現時点では・・
と言うか、そういったモチベーションを持ってもらえるようなサービスを生み出す事が正に必要とされているのでは?