介護保険制度は破綻するのか。サービス提供者はこれからどうして行くべきか。

介護保険制度は破綻するのか。サービス提供者はこれからどうして行くべきか。

介護保険制度は破綻するのか。サービス提供者はこれからどうして行くべきか。

介護保険は将来「とんでもない」ことになる。という情報が多く溢れている昨今ですが何がどう「とんでもない」のでしょうか。

2006年に介護保険制度が改正されましたが、これはかなりネガティブな意味を持っていました。介護保険を作った時の将来の試算が甘くて、このままでは破綻してしまうことが分かり、それに対応するための改正でもありました。

政府がとった対応策はこんな感じです。下の表の黒字の部分はそれぞれの項目が、どんな目的で作られたのかをおおよそで説明しています。

 

介護報酬のマイナス改定 → 介護給付を減らす

介護保険適用の療養病床の廃上 → 介護給付を減らす

食費 ・居住費 の利用者負担 → 介護給付を減らす

介護予防への重点化 → 介護が必要な人を減らす

地域ケアの推進 → 地域の生活を推進して、介護保険の利用者を減らす

サービスの質の向上 → 重度化を防いで介護給付を抑える

 

 

 

政府がやりたい事を簡単にいうと・・

節約できそうな介護給付はできるだけ節約して、老後は健康に地域で生活する事を推進して、介護が必要な人が少なくなるようにしていこう。

ということになります。介護報酬を削減して、地域ケアで早期退院、健康維持を推進しようとしましたが、特に介護報酬のマイナス改定は反発も多く、実際に倒産に追い込まれた事業所も数多く生まれる結果となりました。これは痛みを伴う改革とも言えるものですが、実際にサービスを提供する立場からすれば、たまったものではありません。倒産した40%近くの事業者は開業して5年以内というデータもあり、人生をかけて立ち上げた事業が法改正の影響であっさりと倒産となってしまうようでは、事業を立ち上げて頑張ろうという参入者は減って行く一方となります。

 

 

でも・・直近の2018年にはプラスの改定

介護事業の経営が不安定になってしまったので、2018年の改定では介護報酬がプラスになりました。これで介護事業には少し安堵の空気が流れましたが、デイサービス、訪問介護などは報酬を削られている部分があるのが現状です。
実は、デイサービス・訪問介護は介護業界以外の企業と比べて、利益率が高くなっています。デイサービス・訪問介護という事業は利益が出やすいということです。そう言った理由もあり、経営努力でなんとかしてくださいということになったようです。

色々と効率が悪い小規模企業は、会社を合併させて大規模化して、効率よく経営を行ったほうが良いのでは?という思惑もあるようですが、それもままならない小規模事業者はやはり倒産に追い込まれてしまいます。

この先も介護保険制度を破綻させない様に、利益が出やすい事業は、介護報酬がカットされることは間違いないと言えるでしょう。
しかし、利益が出しにくい事業はプラス改定で政府のサポートが受けられる雰囲気も感じられるので今後の政府の動きに期待ですね。

 

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