ここ最近はずっとリーダーシップ論について書いていますが、ここまで来たならリーダーシップ論を制覇してしまいましょう!という事で、今日はアメリカの経済学者、アージリスの成熟・未成熟理論の紹介をします。こちらも福祉サービスでも活用できそうな汎用的な理論になっているので、是非活用してくださいね。
部下の成長を妨げてはいけない!という理論
アージリスのモデルには色々と理論的な説明があるのですが、結論から言うと・・・
部下の成長を妨げてはいけない!
と言うことになります。
アージリスは人が未熟な状態から成熟した状態に到るまでに、7種類の変化があるとしています。その変化を妨げる事は成長を妨げる事になるわけです。例えば、部下は「指示に従えば良い」「単純作業以外はやらせない」といった組織の場合は7種類の変化を妨げてしまうので好ましくないというわけです。
次に、7つの変化とはどんなものなのか説明しますね!
人が「未熟な状態」から「成熟した状態」になるための7つの変化を促す事が大切
アージリスは人は未熟な状態から成熟した状態に到るまでに、どのような重要な変化が起こるとしているのでしょうか。7種類の変化を一つずつみてみましょう。
1.受動的 → 能動的
受け身の姿勢から変化し、自ら考えて行動するようになります
2.依存 → 独立
他人に依存した状態から変化し、責任を持って自律的に行動できるようになります
3.単純な行動 → 多様な行動
視野の狭い単純な行動から変化し、視野の広い幅のある行動ができるようになります
4.浅い興味 → 深い興味
なんとなく知りたい気持ちから変化し、探究心を持つようになります。
5.短期的な展望 → 長期的な展望
無計画で見通しの無い行動から変化し、長期的な目標を持って行動するようになります
6.従属的 → 対等の立場・優越的
誰かに従う立場から変化し、対等な、もしくは指示をしていく立場に変化します
7.自己認識の欠如 → 自己統制
自分の事がよく分かっていない状態から変化し、自己を認識し制御する事ができるようになります。
部下が成長しないのは組織のせいでもある
上のような「7つの変化」をしながら人は成長していきますが、命令ばかりしている組織では「7つの変化」が起こるのを妨げてしまうので、せっかくの成長の機会を潰してしまうことになります。そのような組織は社員を活用できていませんし、組織の成長も妨げてしまう非常に好ましくない組織になります。
部下の能力を引き出して成長させるというよりは、成長の機会を妨げないように背中を押す様なニュアンスと言えるかもしれません。部下の成長を妨げることなく活用できる組織づくりを目指す事が大切です。