リーダーシップの状況理論(SL理論)。部下の成熟度によって、リーダーシップスタイルは変わる

リーダーシップの状況理論(SL理論)。部下の成熟度によって、リーダーシップスタイルは変わる

今日のテーマは状況理論。SL理論とも呼ばれます。リーダーシップ理論には色々なものがありますが、その中でも部下の成熟度に着目した理論がこの「状況理論(SL理論)」になります。

このブログの中でもたくさんのリーダーシップ理論をご紹介してきました。「リーダーシップ理論はいったい幾つあるの?」「何をどう使えばいいのか分からない」といった声が聞こえてきそうですが、実際には正解はありません。適宜適切な理論を用いるとしか言いようがなく、その辺の事はまた機会を改めて書こうと思います。

 

 

部下によって対応を変えてもいいんです。という理論

では今回の状況理論(SL理論)ですが、部下に注目するとはどういう事なのでしょうか。下の表を見てください。

部下の成熟度 低い (S1) やや高い (S2) 高い (S3) 非常に高い (S4)
人間関係志向の度合い 低くても良い 高くする 高くする 低くても良い
仕事志向の度合い 高くする 高くする 低くても良い 低くても良い
リーダーシップスタイル 指示型リーダーシップ 説得型リーダーシップ 参加型リーダーシップ 委任型リーダーシップ
具体例 経験の浅い部下の意見を引き出す工夫よりも、まずは必要な業務をこなすための細かい指示をする段階 業務に慣れてきて仕事に興味を持つようになった部下に、会社の状況などの資料を見せたり、リーダー研修に参加させたりして、職員の意欲に応える行動をとる 業務改善などのアイデアを考えてもらう。良いアイデアがあれば実際に採用する。 普段の業務を大幅に任せる。上司は部下に任せた業務から解放されるため、管理業務などに集中できる。

 

一番左の列、部下の成熟度が低いとき (S1)

部下は何をすれば良いのかもわからない状態です。まずは業務を教え込む時期です。

 

部下の成熟度がやや高いとき (S2)

業務を覚えてきたら、業務の決定事項やワンランク上の業務などを説明するなどコミュニケーションを重ねる。指示すべきところはしっかりと指示・指導もしていく時期。

 

部下の成熟度が高いとき (S3)

部下の成熟が進んでモチベーションも高くなってきたら、アイデアなどを出してもらって、良いアイデアであれば実際に採用します。あれこれと指示するよりも、やりたい事を引き出してあげる時期です。

部下の成熟度が非常に高いとき (S4)

部下は自分で考えて行動できるので任せます。指示もせず、干渉もせず、見守る時期と言えます。

 

 

福祉の現場では成熟度の高い部下はとても重要

以上のように、部下によって対応を変えても良いというのがSL理論です。平等とは言えない方法なので、部下から不満が出ることがあるかもしれませんが、例えば、やる気満々の部下とモチベーションの低い部下を同じように扱うこと自体が不平等と言えます。

福祉の現場では、自分で考えて行動できる部下は大変重要になります。福祉の現場は24時間365日営業している場合が多くあり、どうしても上司がいない時間ができてしまいます。その時間に頼りになるのが(S4)の成熟度の高い部下です。この(S4)の部下がいない場合は、部下からの電話の呼び出しは増えるでしょうし、安心して休日を過ごす事も出来ません。

ご利用者様のためにも、会社のためにも、部下のためにも、ご自身のプライベートのためにも、成熟度の高い部下を育てて大切にしてくださいね!

 

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