業務処理型リーダーと変革型リーダー
一般的にリーダーシップと言えば、革新的なアイデアでチームをガンガン引っ張っていくような人物を想像するかもしれません。
福祉サービスのリーダーと言えばどうでしょうか。様々な革新的アイデアを次々と実現していく様なリーダーよりは、業務をスピード感を持って的確にこなしていく様な業務処理型のリーダーが多いのではないでしょうか。
しかし理想のリーダーは、業務をこなす事よりもチームワークを優先して、みんなのやりたい事をまとめるようなリーダーだと言われています。
「業務処理型のリーダー=悪」というわけではないのですが、業務をこなす事に偏りすぎたリーダーでは問題が起こる場合があります。いくつか例をあげてみましょう。
決められた業務をこなすために利用者の都合をないがしろにする
業務をこなす上で、利用者の都合は「邪魔なもの」ということになりかねません。利用者の都合をいちいち聞いていては、業務をこなすのに支障を来たすという発想に陥ってしまいます。これでは良いサービスを提供するという本来の目的を見失い、本末転倒となってしまいます。業務をこなすことだけにとらわれ過ぎていると言えるでしょう。
一人一人と向き合う個別ケアより、まとめて大規模化させようとする
一人一人と向き合っていては効率が悪いので、まとめてサービスを提供したほうが効率的といった発想でしょうか。部下に対しても一人一人の意見を全て取り入れていては効率が悪いと考え、良いアイデアを一律全員に強いることを求めます。
これでは福祉の根幹である個別性を無視してしまう結果となり、これも業務をこなす事だけにとらわれ過ぎていると言えます。
福祉サービスでのリーダーシップの理想形とは
福祉サービスならではの特徴として、例えば365日24時間継続したサービスなどがあります。入居型サービスなどがこれに当てはまりますが、この場合は多くの時間はリーダー不在になりますよね。人は24時間働き続けるのは不可能です。もしかしたらそんなハードワークをされている方もいるかもしれませんが、今すぐ辞める事をオススメしたいです。。
という事で、リーダー不在の時間にどうチームをまとめるかというと、リーダーがいない時にチームの事を理解して動ける人材を育てていく必要があるという事です。普段はチームを規則とルールで縛っているのに、何か特別な事態が起こった時には「機転が利かない」と怒り飛ばす。そんなリーダーになってはいけません。普段からチームメンバーに対して、自ら考えてチームのために行動してもらうように指導する事が大切です。
仕事を早くこなす事を重視する業務処理型リーダーにとっては、メンバーに考える時間を与えたり、間違いや失敗を訂正したりする時間は無駄に思えるかも知れませんが、実はそれこそが良い人材を育てるために必要な事なんだと理解する必要があります。
以前のような措置制度の時代が終わり、この先の福祉政策は福祉の「経営」の部分を重視していく傾向にあると言われています。そこに求められているものは、行政の言う通りに運営する「措置」だけではなくて、自分達の力で組織の改革を進めていくこと。創意工夫して「変革」をしていくことです。
色々とお話ししましたが、結局のところ、業務処理型リーダーよりは変革型リーダーが理想的であると言うことです。仕事をこなす事だけにとらわれ過ぎないようにという所がポイントですので参考にしてみてくださいね!