福祉の業務を効率化したい時。活用したい五つの原則(専門化の原則編)

福祉の業務を効率化したい時。活用したい五つの原則(専門化の原則編)

業務を効率化のための5つの原則。専門化の原則とは?

前回の記事で書いた、組織の5つの原則。どんな組織でも1つは当てはまるんじゃないかと思われる、組織を効率的に運営していくための基本的な原則でした。福祉サービスでも、もちろんこの原則があてはまるんです。今回はその中の1つ目、専門化の原則のご紹介です!

 

この原則のポイントは

全部の仕事を全員でやろうとするよりは、一人が何かの専門を持った方が効率が良い

ということです。

 

全知全能の超人がいればいいのですが、ファンタジーの世界にでも行かない限り厳しいですよね。みんな何かしら得手不得手があると思います。

スケールを大きくして考えてみましょう。例えば、人間が生きて行くための仕事は沢山ありますよね。何かモノを作るとしたら、その中にはどれだけの仕事があるでしょうか。

作りたいモノを考える、モノの材料を取る、モノの材料を運ぶ、モノを加工するための機械の設置、モノの材料を加工する、モノを設計する、実際にモノを作る、モノを流通させる、モノを売る、モノを広告する、そして購入して使用する役目もあります。

これを全て1人でやるとなると、どうでしょうか。時々、全てやってしまうツワモノもいますが・・・。

では、もう少しスケールを大きくして、人が生きて行くために必要なモノの全てを1人で・・・・。

それは神様の仕事ですよね笑

 

 

というわけで、人は何かの役割を持って、専門化して行く必要があるわけです。

世の中を見渡すと、世の中は専門家だらけ。自分の周りでもネットでもテレビでも、専門家だらけです。デパートの販売スタッフは販売の専門家ですし、工事現場の職人さんはその工事の専門家です。上のモノの例でいうと、製品企画部、製品設計部、資材の調達担当、加工する職人、配送業者、広告代理店それぞれに大企業があるほど分業化されています。全ての仕事を1人で出来るように頑張る事に意味はありません。

 

 

業務はみんなで一つのことをやるより、分業したほうが良い事が多い

さらに細かく分けて専門家を考えてみましょう。

福祉サービスで、専門の仕事とは?と聞かれると、比較的思い浮かべやすいですよね。リハビリ、介護士、看護師、福祉用具専門相談員など専門の資格を持って働いている方がとても多いサービスです。

専門化の原則はそういった熟練した技術を持った専門家以外にも、分業といったワードも含まれています。

例えば、介護施設では入浴介助、食事の準備、書類の整理など、日によって担当に分かれてお仕事をしますよね。こんな感じで一つの業務に集中することでその仕事に慣れてきて、効率が良くなるのは簡単に想像できると思いますし、実践している施設がほとんどではないでしょうか。

でも、この効率化にもデメリットがあります。分業にして効率の良さを求めると、どうしても流れ作業になってしまいがちです。サービスの利用者とも関わる時間が偏ってくるので、一日のご様子なども分かりづらくなりますし、利用者との関わりの面から見るとデメリットといって良いのではないでしょうか。

 

 

ユニットタイプなど、サービス小規模化の時は専門化しづらい?

今の福祉サービスの風潮は小規模化
大きな施設でも小規模化のためのユニットを設けて、個人個人のニーズを大切にしたサービスが求められていますよね。
そういったケースに限らず、小規模になればなるほどスタッフの数は少なくなるので、1人のスタッフが色々な業務をこなさないといけなくなります。
この場合は、「効率面」から見ると能率が落ちてしまいますよね。でも、「ご利用者様との関わり」の面から見ると、1人のスタッフが色々な場面に関わることができるのでメリットになります。「効率」と「関わり」どちらも大切な要素なのでバランスがよくなるように意識することが必要になってきます。

 

こんな感じで、普段から行なっている分業を改めて考えなおしてみると、効率的な分業とは何かがみえてくるかもしれません。

忙しい福祉の現場では、ただ闇雲に仕事を分けて、なんとか現場を回す事もあるかもしれません。そんな時には、スタッフごとの専門性をもう一度改めて意識して、それぞれの分業を考えると良い結果に繋がるかもしれませんね!

 

 

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